納得してください!押忍!
藤田ーミルコ戦の裁定へのブーイングに対して、石井館長(当時)が発したコメント。この圧倒的なパワー。今は、強引が足りない。
その3日後、偶然にもこの結果を見越したような作品が発表された。2001年8月22日、the strokes『IS THIS IT』。
「それがこれ」と何かを示唆したようなタイトルで、世界の音楽シーンを駆け巡っていく。
ロックンロールリバイバル!
異種格闘技戦リバイバル!
音楽も格闘技も、押入れの奥で埃を被っていたそれが同時期に現代的に再構築されていった。どちらも、手垢のついたものと思われて見向きもされていなかった。
「総合が進化していく時代、稚拙したものではないか」
「音楽が進化しているのに、ベルベットの焼き直しだ」
しかし、この一連の流れは人間の生々しさの復興運動であり、高度化されていくものへの振り戻しだった。どちらの現象も、一過性の「ハイプ」では無かった。混沌をもたらし、状況を確かに変えた。
なくたっていいものが、刺激を与える。隙間だらけのギターリフ、鈍い速さのリズム。負けて自信を喪失していたミルコ選手、やらなくてもいい勝負に挑んだ藤田選手。
仮の話さ、飽く迄も仮の話だ。
This little story a long time ago Stop to pretend, stop pretending(The Modern Age)