実際に見ると全然違う

 97年4月4日の橋本戦に備え、アントンが弟子の小川選手に用意したのはなんとプレステの『闘魂列伝2』だったというのは以前書いた。
 小川選手がゲームによるイメトレ後に、初めて橋本選手の試合を生観戦した時の感想。伝承していたのはアントンイズムでなく、どちらかといえば大学の先輩である坂口イズムだった。
 この完璧な計算で作られた、デタラメ過ぎる師弟コンビ。悩むはずはない橋本選手は、不憫にも負けてしまうのである。