GRAPEVINE「Sing」感想文

 なんだかんだで、素晴らしいので感想文を書く。
 こんなのは読まなくていいので、iTUNESで『ジュブナイル』『Core』『Glare』のどれかを是非視聴してみて欲しい。
 事前に、5曲もシングルで切りまくった恐ろしいアルバム。あんたら、Perfumeか。
 

・Sing
  すごい大げさな事を、淡々と歌う。
 ・Core
  今の時代に『狂ってしまいそうだ』という歌詞の曲を、シングルにするという心意気。たぶん、意味ありげで実はそんなに深い意味も無い。
 ・Glare
  このアルバムのハイライト。突き抜け感が、「Another Sky」以降で一番。この歌詞が、恋愛模様ものだったらここまで化けないと思う。どうとでも解釈できるから、ここまでの広がりを見せたという。ライブで聴きたい曲。歌詞は意外と暗いのだけども、人によっては明るいとか、違いは出そう。
 ・ジュブナイル
  今日は「Glare」とこればっか聞いてる。後ろ向きなのに、前向きというグラグラした構造にやられた。
 ・Two
  前半がたるいので、後半の盛り上がりにびびる。
 ・また始まるために
  これ入れるのかよ。『超える』のシングル買わなきゃ良かった。
 ・鏡
  「もうあとどのくらいこうしていられるかわかってる」に、びびる。
 ・女たち
  ストーンズ的ナンバー。なんか、笑えない。前作の方が、まだ良かった。
 ・フラニーと同意
  生で聞いた時は、そんなに化けなかった。楽器上手くなったなぁ。
 ・スラップスティック
  印象に、残らない。
 ・超える
  タイトルとは裏腹に、何にも超えていない曲。目の前が開けた感じはするのだが、どこか歯切れが悪い。どう超えるってのも、明確にはしていない。そこに、メッセージ的なものを一切いれない潔さはあるのだけども。
 ・Wants
  ラブソングの体裁のようで、実は絶対違うことを歌ってる。
 
 総評:これで解散です、と言われても納得できるアルバム。「デラシネ」「From a smalltown」、「Another Sky」ですら浄化されるものは感じたのだが、今回のは、多幸感が少なすぎる。ユーモアはあっても心の底からは笑えなくて、普段冗談ばっかり言ってる人が不幸に直面した際に無理やりひねり出す笑い、に近い。単に、自分のモードが暗いので思っただけかもしれないが。