オイ、ガタガタ言うんじゃねえ!オラエー!

ダークナイト」を見てきた。
ヒース・レジャーは、美しい。アンド、彼の演技はバットマンが脇役に感じてしまうくらいのストロングスタイルだった!
「くされバットマンファンども!オイ!おまえらこんなものにゼニ出して見に来んのか!!オラ!テメーらみてえなヤツはな、家帰ってマスでもこいてろ、オラ!オイ、ガタガタ言うんじゃねえ!オラ!今日は9割8割、俺のファンだ!!エー!オラ!I'm JORKER!!」
と思わず、脳内変換して見てしまうくらい魅力的だったのである。あの神々しいほどの鬱陶しさは、伝説になると思うんだ。ジョーカーを演じる為、参考にしたのはピート・ドハーティシド・ヴィシャスだったというから泣けるよ。まさしく、FUCK FOREVER!!!!!

最近のアクション映画を見てて面白いと思わなかったのは、「敵」の不在だったこと。確かに敵はいるんだけども、スケールも小さいし、主人公が絶対勝ちそうな敵ばっかで、本当にどうしようもなかった。
ダークナイト」では、ジョーカー先輩がパねぇから、主人公であるバットマンが霞んでしまう。どうやったって、バットマンさんが勝てそうにないっすもん。犯罪を未然に防げず、バットモービルで右往左往するだけ。とにかく、主役が情けない。
ところが、敵の存在感が圧倒的であるが故、バットマンのアクションにカタルシスがあるのだ。
また、今作は通り一遍の勧善懲悪ではなく、善悪の彼岸の領域まで踏み込み、絶対というものは存在しない。善良と思われてる市民ですら、多数決で「正義」を断行しようとする描写もあり、善悪が揺らいでる。このような一筋縄ではない表現方法に、作り手の誠意を感じる。
ラストも、映画はこうじゃなきゃ駄目だ、という回収目的しか持ってない投資家をどうやって説得したのだろうと思うくらいだった。
まー、この映画も傷探せば一杯あるよ。でも、人間自体が不完全な代物なんだから、完璧なものを作れる訳ないだろう?久々のお釣りをくれる映画だ。当然星5つに決まってんだろ、オラエー!