武満徹氏の発言を何点か記録。

それと。僕たちの、ビシッとかなんとかっていう音楽は、なんかあまりにも……そういう芸術音楽っていうのが、僕たちの日常の生活から遊離してきてるわけですね。……昔は音楽は、だいたい、いろんなお祭りといっしょだったり、宗教とくっついたり、たくさんの人の生活とくっついていたわけでしょ。それがだんだん、みんなそれぞれの専門分野が狭く、小さくなってきて、みんな独りっきりになっちゃってきて。で、そのなかで、専門的な音楽評論家が、「うん、あそこはなかなかよくできた」とかね。つまらない、あんまり普通の人に関係のないようなことで、成り立っているようなとこがあるでしょ。だからそういう意味では、僕はテレビのために……こういう新しいメディアのために仕事をするってことは、とても大事だと思うんです。だから、一生懸命やりたいと思うのね、いつも。映画なんかでも。

音楽による政治参加は不可能です。音楽がかりに政治的効用をもちうる場合、それは政治そのものであり、音楽ではありません。