OASIS『Dig Out Your Soul』ざっくり感想

1曲目から驚く。こんなへヴィなギターリフが、彼らに弾けたとは。これは上がる、上がる。『Be Here Now』以降抑えていたアプローチをようやく解禁。「Fade in-Out」路線を突き詰めたような感じで、素晴らしい。
2曲目、ケミブラみたいなドラムにベースがうねる。ギターソロ、B'zみたい。最後のアウトロの「Dear Prudence」はご愛嬌。
3曲目、ブギーなギターが炸裂。どこか借り物に感じられた”ブギー感”が、彼らにもついに宿った。
4曲目、意外にもベースが効いてる。シンプルな曲なのに、爆発的。プロモのオープニングが、ストーンズのジャケ*1を模したところがなんだか微笑ましい。
5曲目、ベースラインが所々ビートルズ*2に聞こえる。ただ、この曲がジョン・レノンっぽく聞こえると言っても、彼にはこういう曲書けないと思うんだ。
6曲目、リー・メイヴァースが書きそうなナンバー。
7曲目、とにかく渋い。5→7曲目の流れが今作のハイライト。
8曲目、YOUTUBEで聞いた時はピンと来なかったが、CDで聞くと格好良い。
9曲目、「The Meaning of Soul」の時も思ったけども、こういうタイプの曲は彼らに合わないと思う。1分半だろうが2分だろうが、とにかく声質に合っていない。フューチャヘッズやミッシェルじゃないんだから。駄曲。
10曲目、アルバムのケツの方に強烈なギターが炸裂する曲を持ってくるとは。前のアルバムのアンディ曲より良い。
11曲目、シンプルなベースで格好いいのに何故かピンと来ない。やっぱ駄曲かな。
12曲目、これがボートラなんて信じられない。B面も素晴らしいオアシスは、相変わらず健在。11曲目をB面にしたら良かったのに。
13曲目、兄貴バージョンは封印という判断は正しい。

オアシスの辞書に全くグルーヴという文字は無かった。だが、今回の作品でやっとその文字が書き加えられることだろう。ドラムとベースを前面に出し、しかもはっきり聞こえる音になっている。過去の作品では、プレーヤーの技術的問題*3もあって出来なかったし、また低音もはっきりとは聞こえない音質であった。6枚目も聞き直すと、低音が聞こえるんだけども、控えめ。これが、4枚目の頃に出来ていれば状況も変わっていたのかもしれない。自分が、このバンドのどうしようもない信者な為、星5つ。
あとは、次のアルバムから、リアム曲はいらないので、歌う事に専念すべき。サイケも充分なんで、もう一丁デイヴ・サーディと組んで第二期『Be Here Now』をやって欲しい。今の彼らなら、やれる技量があるはず。今はクスリやってない*4のに、なんでサイケ方面に走るのかが全く謎で仕方が無い。簡単に言うとオアシスが、ブラック・クロウズをいかに好きかが伝わってくる作品。これが若いのに受けるかどうかは、微妙。売れるの?って感じで。

*1:Hot Rocks

*2:White Album

*3:残念なことに未だに抱えてる。アンディがスラップとかを出来ないのが痛い

*4:勿論、彼らの自己申告