スーパーソニック

去年12月に見た映画の感想を今更書いてみる。
一切自己主張の無い、コードを延々なぞるだけのボーンヘッドのギター。本編でもほとんど話すシーンの無いギグジー。ひたすらシャリシャリとドラムを鳴らす可哀想なトニー。ドラッグでぶっ飛んでた頃の方が人相の良いアニキ。ステージ上でアクションも無く、アニキの曲をただ歌うだけのリアム。超音速で音楽シーンを駆け抜けていった、威勢の良いアンチャン達の実像がそこにあった。
でも結局、リアムの声がオアシスがオアシスであることを足らしめていたという事。スクリーンには、眩いあの「声」が響き渡っていた。
そう思わせるくらい、どのライブでもリアムの喉は絶好調であった。
1・2作目にあったあの声は、年を経てほとんど出なくなってしまった。ノエルがバンドから脱退したのも、今後自分が曲を書いても弟が歌えない事に我慢できなくなってしまったからじゃないか。見ててそう思うくらい、当時の自分を高揚させたあの歌声は素晴らしかった。再結成をしても、あの声には全く及ばないだろうし、そんなライブを自分は大枚はたいて見たいのか。もう十分だろう。自分の中にあったオアシスにもようやくケリをつけられた。