映画脚本家 笠原和夫『昭和の劇』より

下書きが出来たので、はてなハイクからこっちへ保存。

聖戦なんて言葉、遣うもんじゃないね。戦争は戦争なんだよ。だからどっちが正義だとか、どっちが悪だとか、南京事件どうのこうのというんじゃなくて、戦争というのはお互いが殺し合うものなんだから。

なぜ全部、表に出してしまわないのかと。そのうえで新しい民主主義を起こせばいいじゃないかと。だけども、みんな過去のことに蓋をしてしまって、秘密のベールに覆ってしまったまま、何かその上にくっつけようとするんだけど、それはくっつかないわけだよ。それが戦後の思想的混乱の元なんだよ。

だけども日本のメディアは、ちっとも真実というものを語らないわけでしょ。どうして、そうやって隠すんだと。隠した末に、また、あの焼け野原に墓石が立っちゃったらどうするんだと。

天皇の名のもとに、どれだけの人間がぶん殴られて殺されているのか、ちゃんとわかって言っているのかと。そして天皇はちゃんとその責任をとっているのかと。とってない!それから、そういうものを後押ししたジャーナリズムが、きちんと清算しているのかと。してない!朝日新聞なんて戦前は軍のために大宣伝をやっておいて、それで終戦の時には、「みんなで反省しなければならない」なんてね。何言ってるんだ、テメエが一番反省しなきゃならない。で、新聞社で腹を切ったやつはいますか?一人もいない!