『THEE MOVIE』

日本のバンドで、ミッシェル・ガン・エレファントが好きだった。片田舎に住んでいた時、ラジオから流れた「バードメン」で衝撃を受けた。ザ・フーみたいなバンドが日本にもいる!三枚目のアルバムを買って、聴き狂った。そーいや、俺の音楽遍歴の含有率には、パーフリやヴィーナスペーターだけじゃなくてミッシェルやイエモンもあったな。それから月日は流れ、ミッシェルはあっけなく解散した。俺には、解散の理由がさっぱり分からなかった。俺は、『続くだろう〜』と歌っていた彼らのCDを棚に置き、聞くのを止めた。
ROSSOやRAVENTHE BIRTHDAYを聞き、ミッシェルは忘れていた。
2009年、アベフトシ氏が亡くなった。何ともいえない気持ちになったが、ミッシェルを聞く気になれなかった。
映画の事を知った時も、観に行く気にはなれなかった。ところが12月末、仕事帰りにふと「大画面でミッシェルを観たい!」を思い、ミッシェルの映画を観に行った。チバの笑顔、アベの切なそうな表情、ウエノの暴れっぷり、クハラのドカドカしたドラム。鑑賞中、ずっと我慢していたが「世界の終わり」で涙が流れた。
死ぬほどカッコいいバンドだった。そう思ってたが、見終わった後もどこかモヤモヤしてた。それは何故かずっと考えていたのだが、理由はこれしかない事に気づいた。ミッシェルが終わったことをどこかでまだ認めたくないのだ。映画を観て、はっきり分かった。封印してた思い出が甦ってきた。なんの気なしに鳴らしてよ。
ルーシー、起きろ!
そして、俺は今、通勤中やドライブ中にミッシェルを流している。さよならベイビー。