X橋付近(著 高城高)

ふわっとした感想:この舞台となっている街に住んで結構経つが、この本に出会うまで、X橋の名前の由来を考えたこともなかった。新幹線の高架線と車道の橋が交差しているから、その名前が付いたのかと思っていた。どうやら、そうではなかった。宮城野橋 - Wikipedia
現存しているX橋はもう、Xの形になっておらず、Yの字になっている。いずれ取り壊されて、新しくなるだろう。駅前東口周辺は、再開発の途中でまだ過渡期のようだ。自分が来た時の東口はまだ昭和の匂いがあったが、何年も経つと漂白されてしまい現在は綺麗な更地になっている。心霊スポットだった病院も今は無い。商店街、民家、線路等のそこにあったものが、悉く消えている。生まれては壊し、壊しては生まれていく街。かつてあった街並みが丁寧に描写されており、本を読む自分の脳内の中へ、在りし日の市内を想起させてくれる。