事実とは?

ここ、松田優作若山富三郎勝新太郎萬屋錦之介関係の本を読み耽っている。片一方だけを見るのではなく、関係者の本を読むことで、新鮮な驚きがある。ある本では非難されていた俳優が、別の本を読むと実は苦労して人間関係の構築に勤しんでたりと、物事が立体的に見えてくる。その時の感動は、なんとも言い難いものがある。
ショーケン」で、『影武者』の撮影時に、阿藤海氏が目に怪我をした。それでも、撮影を続行する黒沢監督。阿藤氏を心配したショーケンが猛抗議した、という話がある。そこで、阿藤氏の本を読むと、(目に怪我はしたし大変な撮影だけども、やっぱ黒沢監督はすげーな)というような、大らかな感じの記述であった。それぞれの人となりが感じられて面白いし、黒沢監督に対しての距離感も見えてくる。